おうむらの国内サッカーブログ

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2018年J1第1節/清水エスパルス 0-0 鹿島アントラーズ 試合レポート

王座奪還を狙う鹿島。
内田の復帰(&静岡凱旋)ということで注目される試合でしたが、
昔から清水を苦手にしているというか、
日本平(現IAIスタジアム)で相性が悪い印象だったので
個人的にはその辺を気にしていました。

終わってみれば、目に見えない相性がどうとかではなくて、
鹿島の淡々としてる感が、
残留争いから抜け出たい清水が開幕戦にかける熱に、
押されたようなゲームでした。

Jリーグ公式のスタッツはこちら

清水エスパルス
ーーークリスランー北川ーーー
ーー石毛ーーーーーー金子ーー
ーーーー竹内ーー河合ーーーー
松原ーフレイレーソッコー立田
ーーーーーー六反ーーーーーー

スターティングメンバー
GK 13 六反 勇治
DF 28 立田 悠悟
DF 3 ファン ソッコ
DF 4 フレイレ
DF 25 松原 后
MF 6 竹内 涼
MF 17 河井 陽介
MF 30 金子 翔太
MF 29 石毛 秀樹 68'
FW 23 北川 航也 71'
FW 20 クリスラン

控えメンバー
GK 1 西部 洋平
DF 26 二見 宏志
DF 45 角田 誠
MF 14 楠神 順平
MF 19 ミッチェル デューク 68'
MF 24 増田 誓志
FW 9 鄭 大世 71'

監督
ヤン ヨンソン

鹿島アントラーズ
ーーーー金崎ーー鈴木ーーーー
ー安部ーーーーーーーー遠藤ー
ーーーー三竿ーーレオーーーー
安西ーー昌子ーー植田ーー内田
ーーーークォンスンテーーーー

スターティングメンバー
GK 1 クォン スンテ
DF 2 内田 篤人 84'
DF 5 植田 直通
DF 3 昌子 源
DF 32 安西 幸輝
MF 20 三竿 健斗
MF 4 レオ シルバ
MF 25 遠藤 康 76'
MF 30 安部 裕葵 67'
FW 9 鈴木 優磨
FW 10 金崎 夢生

控えメンバー
GK 21 曽ヶ端 準
DF 16 山本 脩斗 67'
DF 39 犬飼 智也
MF 40 小笠原 満男
MF 6 永木 亮太
MF 8 土居 聖真 76'
FW 7 ペドロ ジュニオール 84'

監督
大岩 剛


ホームの清水エスパルスは、4-4-2。
飯田・鎌田・清水らが負傷離脱中の右サイドバックにはU19代表で本来はCBの立田。
2トップはクリスランと北川で、チョンテセはベンチスタート。

アウェー鹿島アントラーズも、4-4-2。
左サイドバックが山本ではなく安西で、左ハーフには安部。
2トップは金崎と鈴木で、ペドロジュニオールはベンチスタート。


ペースを握ったのは清水でした。

バイタルエリアを相互利用してペナルティエリア角を取り、鹿島ボランチをカバーに走らせる。
そこで鹿島の重心が後ろに掛かると清水ハーフ陣がフリーになるので、
サイドハーフの遠藤と安部が中央を閉じにくる。
と、サイドバックがプレーする時間とスペースを得られる。

具体的には、クリスランが突破や反転は期待できないものの一応収まるので、
そこからダブルボランチ竹内と河合に左ハーフ石毛を加える中盤3枚がシンプルにパスを繋ぎ、
右に流れる北川と金子を使い、バイタル脇を攻略。
詰まったら左にサイドチェンジして松原を使うか、
同サイドで後方フォローする立田に渡してアーリークロス。

清水は本来センターバックの立田が右サイドバックでしたが、
オーバーラップではなく後方フォローの位置に置いて機能させ、厚みを作っていました。

鹿島は左サイドの守備で後手に回り、素直に受けてしまいました。
特にレオシルバのコンディションが悪そうで、
さらに左サイドは守備よりも攻撃に長ける安西と安部。
劣勢を跳ね返せません。


鹿島は、清水と同じシステムながら、サイドから攻略したい。
が、サイドに流れる金崎・鈴木、サイドハーフ遠藤・安部、サイドバック内田・安西が、連動出来ない。
松原はともかく、右サイドバックは守備に長ける立田、
サイドハーフはプレスバックに精力的な金子と石毛で、
清水の両サイドは比較的固かったですが
ファンソッコとフレイレのセンターバックコンビが安定していて安易に押し込まれないことも
サイドで主導権を受け渡さないことに大きく貢献していました。


そんな感じで、中盤が機能する清水が、
サイドや中央を分かりやすく突破していくシーンこそ無かったのですが
セカンドボールをバイタルで拾ってからの攻撃で、幾度かチャンスを作ります。

金子(間違えた)石毛がレオシルバに倒されてPKになるシーンも
優勢の中で押し込んでいたから起きたシーンです。

結局このPKは失敗し、スコアレスで折り返します。
前半ペースを握れた清水は、どうしても前半で得点しておきたかった。


後半、鹿島が多少盛り返します。
清水のプレッシャーが緩くなり全体が間延びする展開で、
山本を左サイドバックに入れてからは
鹿島らしいサイド起点の攻撃でリズムを作りますが、
アタッキングサードでの連動・精度・アイデアが明らかに足らず、
チャンスらしいチャンスがなかなか作れませんでした。


清水もミッチェルデュークやチョンテセを投入。
オープンな打ち合いに耐えられる布陣にしますが、
こうなってしまうと地力で勝る鹿島に互角以上の戦いを見せるのは厳しい。


スコアレスで終えたゲームは、
大枠でみると前半清水・後半鹿島のゲームだった、
になってしまうのですが
ゲームプランを遂行できていた清水と、
なんだかぼやっとしたまま90分を終えてしまった鹿島で、
出来栄えとしては結構な差があったように思います。

清水は攻撃面よりも、守備の堅さを示せたことが最大の収穫。
失点を減らすことは残留に向けて極めて大事なポイントです。

一方の鹿島は、優勝を狙うとなると、この内容は厳しい。
意地でも勝つんだという鹿島らしさも、出てきませんでした。
下位相手に、一試合のスコアレスドロー。
それが致命傷になることを、去年味わっています。